研究課題
前年度に引き続き、確立したマウスモデルを用いて、咬合異常ストレスが全身の骨代謝へ与える影響を検討した。それまでに、咬合異常付与に伴い血中ストレスホルモン濃度は有意に上昇し、骨形態計測において脛骨近位部二次海綿骨の骨形成指標の有意な減少が認められるも吸収指標の有意な変化は観察されなかったことから、海綿骨部における骨量低下は主に骨形成系の抑制によるものである可能性が示唆された。今年度はそれらに加え生化学的解析を用いて、骨形成および骨吸収指標の評価を行った。血清中の骨形成マーカーであるオステオカルシン濃度と骨吸収マーカーである骨型酒石酸抵抗性産生フォスファターゼ(TRAP-5b)濃度をEIA法により評価したところ、咬合異常付与翌日において、骨形成マーカーは対照群と比較して有意に減少していたが、骨吸収マーカーにおいて有意差は認められなかった。さらに咬合異常付与前後における尿中の骨吸収マーカーである骨由来コラーゲンC末端テロペプチド(CTX)をEIA法により測定したが、咬合異常ストレス付与直後において付与前と比較し骨吸収指標の有意な変化は認められなかった。一方で、咬合異常付与7日後においては、対照群と比較して骨形成マーカーであるオステオカルシンの血中濃度に有意差は認められなかったが、骨吸収マーカーであるTRAP-5bの血中濃度においては有意な減少が認められた。統計解析はKolmogorov-Smirnov testによる正規性検定の後、Unpaired Student’s t-testsを用いて2群間の有意差を検定した。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
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