本研究は、咬合異常ストレスが全身の骨代謝に与える影響の詳細を、咬合異常マウスモデルを用いて明らかにすることを目的とした。装置未装着の対照群と比較して咬合異常群の血中corticosterone濃度は有意に上昇し、脛骨および大腿骨の骨密度は有意に減少していた。脛骨近心2次海綿骨部における骨形態計測の結果、骨形成指標は有意に減少していたが、骨吸収指標の上昇は認めず、血清中の骨代謝マーカーはその結果をほぼ裏付けていた。なお、屠殺時に両群間の体重に有意差は認められなかった。 これらのことから成長期における咬合異常は血中ストレスホルモンを上昇させ、全身骨密度の低下をもたらすことが示唆された。
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