研究課題
力学的負荷による骨リモデリングに関して骨細胞が重要な役割を担っているという報告が増加しているが、矯正学的歯の移動における骨細胞の影響を直接的に調べた報告は少ない。今後の研究として、分子細胞生物学的手法を用いて矯正学的歯の移動における骨細胞における遺伝子発現の変化を解析していくことが必要となる。そこで、申請者は、『矯正学的歯の移動時における骨組織と歯根膜組織との相互作用を解明する』ことを研究の全体構想として掲げ、「矯正学的歯の移動における骨細胞産生RANKLの役割の解明」を本研究の具体的な目的としている。初年度は、歯槽骨組織、歯根膜組織におけるRANKLの発現量の比較として、骨細胞と歯根膜細胞との比較をin vitroにて行う予定であった。骨細胞はマウス骨細胞株であるMLO-Y4を、マウス歯根膜細胞に関してはマウス臼歯より単離する。In vitro における力学的負荷による骨細胞、歯根膜細胞の遺伝子発現変化のデータ採得するため、①細胞培養系の確立 ②骨細胞および歯根膜細胞への力学的負荷によるmRNAレベルでの変化 ③骨細胞および歯根膜細胞への力学的負荷によるのタンパクレベルでの変化 ④培養細胞における形態評価を順次行う予定である。現在マウス歯根よりマウス歯根膜細胞の培養は確立し、今後マウス骨細胞株であるMLO-Y4の培養に着手する予定である。細胞伸展機および細胞伸展用メンブレンの導入および、その手技の確立を目指す。
4: 遅れている
研究室の引越しおよび工事等で、機材のセットアップが不可能な状態であったため、研究計画は大幅に遅延している。
細胞伸展機の導入および、その手技確立に関して早急に取り掛かる。
研究室工事および引越し等のため、セットアップが行えず、購入予定であった細胞伸展機およびその他の備品を購入できなかった。
今後細胞伸展機の導入に関して早急に取り掛かる。
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Archives of Oral Biology
巻: 60(1) ページ: 45-54
10.1016/j.archoralbio.2014.08.013.