Apert症候群は、線維芽細胞増殖因子2型受容体 (FGFR2) のリガンド (FGF) 依存的機能亢進型の点変異 (S252W) を原因とし、頭蓋冠縫合部早期癒合症や合指症を示す。本研究の目的は、Apert症候群モデルマウスを用いた病態発症メカニズムの解明と、ヘパラン硫酸分解酵素によるFGFシグナル抑制が頭蓋冠縫合部早期癒合に対して与える効果を明らかにし、非侵襲的な新規治療法開発への糸口を見つけることである。ヘパラン硫酸分解酵素を、ビーズを担体とし、胎児期マウス頭蓋冠縫合部に局所作用させる実験系を施行した。その結果、ヘパラン硫酸分解酵素の早期癒合症に対する治療効果の可能性が示唆された。
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