本研究は、矯正歯科分野で従来行われている検査から得られる表現型の定量的評価と網羅的ゲノムスクリーニングを組み合わせることで、表現型とゲノム構造の関連性を解明し、顎顔面領域の先天異常疾患の病因遺伝子を同定と新規の顎顔面領域の臨床診断アルゴリズムを構築することを目的とした。 原因遺伝子の同定に至ったのは全体の30%で、候補遺伝子の有る場合無い場合とも遺伝的異質性からか全てに変異遺伝子が得られるわけではないこともわかり、疾患のリクルートに対して有用な情報の積み重ねが行えた。一方、表現型に対する遺伝子の機能的な影響とその評価は対象変異をモデル動物での再現が困難など、さらに症例の蓄積を進める必要があった。
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