我々は顎関節症および、進行性下顎頭吸収(PCR)の予防法を求め研究を行った。これら疾患の原因の一つである下顎頭への機械的負荷は軟骨細胞表面のインテグリンで感受されていることが明らかとなっている。われわれは今回の実験でインテグリンαVβ5の阻害薬Cilengitideを用いることで機械的刺激の受容の軽減を行い、最終的にインテグリン-fakシグナルを抑制することによる炎症の抑制を確認した。これらは軟骨細胞を用いた実験で行った。また実際の患者さんの顎関節の状態を再現するためにラット下顎頭高負荷モデルを作製し炎症状態の検討を行ったが、Cilengitideの投与法が困難で動物実験は完遂できなかった。
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