間葉系幹細胞に対するメカニカルストレス負荷に伴う軟骨細胞への分化についてmicro RNA (miRNA)に着目し検討した。 胎生期マウス下顎頭より間葉系幹細胞を単離し、伸展力負荷培養装置上で培養した。伸展力負荷は3時間、1日間、2日間とした。伸展力負荷に伴い発現が変動するmiRNAをマイクロアレイ法により検討した。3時間負荷を行った群では、軟骨分化関連遺伝子の発現を制御するmiRNAは検出されなかった。1日間負荷を行った群では、軟骨分化関連遺伝子の一つであるCol2a、HDAC4をターゲット遺伝子とするmiR-134-5pの発現が上昇することがわかった。一方、2日間負荷を行った群では、Col2aやHDAC4をターゲット遺伝子とするmiR-152-3p、miR-134-5pの発現が上昇することがわかった。また、3時間、1日間、2日間と経時的変化を検討したところ、miR-152-3pは経時的に発現が上昇することがわかった。 今後、これらのmiRNAの発現の変化をリアルタイムPCR法により検討し、さらに、遺伝子導入の実験系により間葉系幹細胞の軟骨細胞への分化や増殖に与える影響を検討する予定である。
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