現在薬物性歯肉増殖症の根本的な治療法の開発が望まれている。治療法の開発のために疾患動物モデルの作製は不可欠である。本研究では絹糸結紮歯周炎マウスモデルにシクロスポリン(CsA)を腹腔内投与することで、歯肉増殖症マウスモデルを作製した。またその発症は抗菌薬の前投与で抑えられた。CsAと同じカルシニューリン阻害剤を持つタクロリムスでも同様に増殖症を発症させた。CsAの投与中止により増殖症は改善した。以上の結果から、細菌感染とカルシニューリン阻害作用がCsA誘導性の歯肉増殖症の発症に関わっていることが示唆された。今後、このマウスモデルを使用すればより詳細なメカニズムの解明が期待できる。
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