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2014 年度 実施状況報告書

Aa による歯周病とアテローム性動脈硬化症の発症への関与について

研究課題

研究課題/領域番号 26861821
研究機関鹿児島大学

研究代表者

下田平 直大  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20710007)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード歯周病原性細菌 / アテローム性動脈硬化症
研究実績の概要

Aggregatibactor actinomycetemcomitans (Aa) は、歯周病原性細菌であり、様々な病原性因子が報告されている。アテローム性動脈硬化症と歯周病との関連が指摘されている。本研究では、Aaのアテローム性動脈硬化症への関連性を解明することである。当該年度では、Aaによる血管内皮細胞であるHUVEC cellsにおける炎症性サイトカインの発現を検討した。
Aaは、1%酵母エキス含有トリプチケースソイブロス培地を用い、37℃、5%CO2環境下にて培養を行った。菌体をPBS1mlに混合し、超音波にて破砕を行った。
Huvec cellsは、EGM-2 MV添加の内皮細胞培地を用い37℃、5%CO2環境下にて培養を行った。
破砕後の上清をHUVEC cellsに混合し、30分または60分37℃、5%CO2下にて静置したのちにcDNAを回収したのちにリアルタイムPCRにて定量化した。その結果、炎症性サイトカインIL-6はコントロール群と比較してAa刺激群では発現の上昇を認めた。また、30分の群と比較して60分の群についても発現の上昇を認めた。他の炎症性サイトカインについて、コントロール群と比較してAa刺激群ではMCP-1やTNF alphaの発現の上昇を認めた。また、接着因子についてもコントロール群と比較してAa刺激群にてICAM-1とVCAM-1の発現の上昇を認めた。
このことから、AaによりHUVEC cellsから炎症性サイトカインの発現の上昇をみとめたことからAaは血管における炎症性サイトカインの発現に関与することが示唆された。このことから歯周病原性細菌とアテローム性動脈硬化症との関連にAaが関与してる可能性を示唆する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、歯周病とアテローム性動脈硬化症との関連性の解明することである。アテローム性動脈硬化症は、血管壁にあるLDLを貪食したマクロファージが泡沫細胞になることで動脈硬化の可能性を考慮することとなる。歯周病原性細菌が血管中に存在することで炎症反応が活性化し、泡沫細胞に誘導することになると考えられる。
本研究より歯周病原性細菌であるAaにより血管内皮細胞であるHUVEC cellsの炎症性サイトカインの発現の上昇を認めた。このことからAaにより血管における炎症反応が引き起こされる可能性が示唆された。また、接着因子の発現の上昇も認められたことから、Aaの細胞への接着も炎症反応に関与していると考えられることから、Aaの外膜タンパクであるOmp100についても今後解析を行った行く予定である。

今後の研究の推進方策

歯周病原性細菌であるAaの外膜タンパクOmp100は、細胞に対する接着や血清成分であるC3bの接着阻害因子であるFactor H結合能、炎症性サイトカインの発現誘導などの病原性が報告されている。しかし、これまで血管内皮細胞に対する病原性についての報告はなされていない。
本研究では、Aaが血管内皮細胞であるHUVEC cellsの炎症性サイトカインの発現誘導を行っていることを解明した。今後は、AaのOmp100欠損株を用いてOmp100のHUVEC cellsに対する炎症性サイトカイン産生を検討する。また、HUVEC cellsのAa刺激時とAa Omp100欠損株刺激時を比較することで、細胞接着能やHUVEC cellsの管腔形成能の違いを検討していく。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、基本的な実験を行ったため使用額に変更が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度の研究費は、細胞実験材料及び解析のための試薬等の購入を主に行い、研究調査のための旅費、論文執筆のための費用として使用する。

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公開日: 2016-06-01  

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