構音関連筋のサルコペニアは構音障害を引き起こし、さらには口腔機能の低下を引き起こす。口腔機能の低下により嚥下障害、栄養状態の悪化などが生じさらにサルコペニアも進行するという悪循環が起こる。そのため、構音障害に関連するサルコペニアの早期診断が求められる。今回は、構音関連筋の指標として軟口蓋の速度を健常者と構音障害を認める口蓋裂症例とで比較した。被験文を/bampa/とし、一定の速度で発音させレントゲン造影検査を行った。口蓋裂症例では健常成人に比べ軟口蓋の運動速度および移動距離が小さいことが明らかになった。発音時の軟口蓋の運動速度はサルコペニア予備軍のスクリーニングに使用できる可能性が考えられた。
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