研究課題/領域番号 |
26861832
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20509591)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯周病 / メタボリックシンドローム / 性差 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、歯周病とメタボリックシンドロームの関係について論文のレビューを行った(Current Oral Health Reportsに発表)。歯周病とメタボリックシンドロームの関係を評価した先行研究では、歯周病については様々な定義が用いられており、平均歯周ポケット、歯周ポケット4mm以上あるいは6mm以上、歯周ポケットとアタッチメントロスの組み合わせ、CPIコードなどで歯周病を定義していた。 歯周病とメタボリックシンドロームの関係について調べた先行研究の多くが横断研究で、縦断研究は少ない。横断研究で、男女別の結果に注目すると、男女両方に関係があるもの、男性のみ、あるいは女性のみに関係があると報告しているものがあり、結果は一貫していなかった。縦断研究では、メタボリックシンドロームが歯周病に影響していると報告したものは2報あった。前向き研究で、日本の高齢者を対象とした調査では、アタッチメントロスが3mm以上の歯が2本以上を歯周病と定義しており、メタボリックシンドロームの者は、追跡時に歯周病を発症した者が多かったと報告している。後ろ向き研究では、一般的なメタボリックシンドロームの定義を用いておらず、BMI 25.0 以上、高血圧(収縮期血圧130mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上)、糖尿病(空腹時血糖126 mg/dl以上)、脂質異常症(コレステロール240 mg/dl以上)の1項目以上を保有している者は歯周病(CPIコード 3以上)が多いと報告している。今後は、さらに縦断研究が必要であるが、歯周病は他と一致した定義を用いて、歯周病とメタボリックシンドロームの関係に性差が認められるかを検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産前産後の休暇と育児休業を取得したことに伴い、研究計画に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
凍結血清試料を用いて、抗酸化物質のパラオキソナーゼ活性とアリルエステラーゼ活性を測定する。測定結果をもとに、歯周病、メタボリックシンドローム、抗酸化物質の関係を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後の休暇と育児休業を取得したことに伴い、抗酸化物質の解析ができていないため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は抗酸化物質の測定と、歯周病とメタボリックシンドロームの関係の性差について分析を行う。
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