研究課題/領域番号 |
26861837
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
角舘 直樹 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20534449)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Evidence-based Dentistry / 臨床疫学 / 歯科医学教育 |
研究実績の概要 |
海外の歯科医学教育においてEvidence-Based Dentistry (EBD) 教育が重要視されているが、我が国の歯科医学教育においては本格的な取り組みはみられない。そこで本研究では、日本で先駆けてEBD教育を行い、信頼性と妥当性を有する国際比較可能なEBD教育効果測定尺度を開発することを目的とする。平成26年度の研究内実施内容は、以下のようなものであった。 1)尺度の翻訳:欧米で開発されたEBD教育効果測定尺度を歯科医師ならびに臨床疫学の専門家で翻訳した、2)尺度原案作成:歯科医師、臨床疫学専門家により、内容的妥当性を考慮しながら日本独自のEBD教育効果測定項目(アイテムプール)を収集し、尺度原案を作成した、3)パイロット調査:九州歯科大学の歯学部学生、大学院生に対して尺度原案を用いて横断的に調査を実施した、4)EBD教育効果尺度項目の見直し・完成:パイロット調査の参加者から、尺度原案では測定・評価できていない教育効果について自由記載による質問紙調査を実施した。その結果に基づいて、尺度の項目の修正および追加を行い、EBD教育効果測定尺度を完成した、5)尺度を搭載したウェブ調査システムの開発:1)~4)のステップで開発された教育効果測定尺度をウェブアンケートシステムに搭載し、遠隔地においても回答可能にした、6)EBD教育に関する意識調査を実施した。 今回開発した尺度を用いて、平成27年度は、そのEBD教育効果を海外の先行研究の結果と比較する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に従い、研究を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、日本におけるEBD教育実施に当たっての問題と課題を抽出するために、平成26年度に作成した尺度・ウェブシステムを用いて調査を実施する。また実際に教育介入を行い、その教育効果を検証するための調査研究を実施する。EBD教育効果を測定するにあたり、そのアウトカム評価指標は以下のものを採用する。 ①EBDの知識:「エビデンスレベル」、「研究デザイン」、「バイアス」、「サンプルサイズについて」、「知見の一般化可能性」、「統計学検定」、「研究報告の価値」、「エビデンスをどのように得るか」など、②EBDの経験:「研究手法を学んだ経験」、「実際の研究に関わった経験」など、③EBDへの態度と意見:「基礎研究や臨床研究を学びたいという関心」、「卒業後、大学で教育・研究者になりたいという興味」、「EBD教育が歯学部で実施されるべきかどうか」、「EBDは患者ケアを改善させるか」、「批判的吟味のスキルにより論文の読み方が変わったか」など、④批判的吟味に関する知識:「研究デザイン別の論文読解法」、「批判的吟味のスキルにより論文の読み方が変わったか」など、の4つから構成される。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集の受付期間の締切を超えて調査回答の提出がみられた。それによりデータ入力人数が想定より少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度にデータ入力できなかったものは平成27年度に入力を実施する。
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