研究課題/領域番号 |
26861838
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
石川 健太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (80453629)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 超音波診断装置 / 舌接触補助床 |
研究実績の概要 |
〔目的〕初年度は、2次元、3次元超音波診断装置を用いた先行研究にて設定された撮影条件にて4次元超音波診断装置での嚥下動態の描出が可能か否かについて検討を行った。 〔対象と方法〕対象は研究参加について十分な説明ののちに同意の得られた個性正常咬合を有する成人男性3名(平均年齢27.6歳)である。超音波画像診断装置(VolusonE8、GE社製)に,一触子(RAB4-8L、GE社製)を接続し,探触子の固定には,大塚の考案した可変角度調整可能なスプリング付き探触子固定装置を用いた.接触子は前額方向傾斜角を30度に固定し、矢状方向傾斜角を20度、30度にそれぞれ変化させて舌動態の描出可能率の検討を行った。測定に際し、被験者にフランクフルト平面が床面と並行になるように座位をとらせた。また、事前に各被験者の口蓋形態に適合した最厚部3mmの舌接触補助床(以下、PAP)を作製した。各条件において冷水3mlを指示嚥下した際の舌接触補助床装着に伴う舌動態の変化を描出できるか否かについて、2次元Bモードおよび4次元画像にて評価した。本研究は昭和大学歯学部医の倫理委員会の審査、承認(2014-033)を経て実施された。 〔結果と考察〕各条件において、Bモードを用いた2次元画像ではPAP装着に伴う水分嚥下時の舌動態の違いを先行研究と同様に評価することが可能であった。しかしながら、4次元化された舌動態の画像においては、舌運動の速度に対して画像の鮮明度が不十分であり、その違いを判別することは困難であった。 これまでの先行研究において2次元や3次元での嚥下動態評価に用いられてきた条件では、口蓋形態の変化に伴う嚥下時の舌の動態評価が困難であることが明らかとなった。2年目ではより詳細な撮影条件の見直しを実施し、4次元による嚥下時舌動態の評価が可能となるように努めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では初年度において、4次元超音波診断装置での嚥下時舌動態の評価法確立を目指していたが、十分な成果を得られることが困難であった。測定条件について2次元モードにて観測した画像では評価可能な状況であっても、4次元モードにて観測した画像では評価不可能であった。4次元超音波診断装置側の要因もあり、今後の検討が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
超音波診断装置の機器側の要因として、2次元で評価可能の条件において、4次元にて評価が困難な原因を早急に検討するとともに、4次元での嚥下時舌動態評価法の条件確立を最優先に研究を継続する。 また、機器側の性能限界として4次元での評価が困難であることが明らかとなった場合には、舌接触補助床の口蓋形態の違いによる舌運動の違いを2次元超音波診断装置と小型圧センサを用いた解析に切り替え、研究を遂行していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
解析ソフトの納期遅れにより、計画していた被験者数が少なくなってしまった。そのため、測定装置に使用する小型圧力センサの購入数が少なくなってしまったため、物品費および人件費・謝金を残すこととなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
小型圧力センサは消耗品であり、個人の口腔内に接することから、感染予防の観点より相当数の購入が必要となる。次年度は被験者数を増やして研究を遂行する予定であり、本実験に必要な研究消耗品の購入にあてる予定である。
|