研究課題/領域番号 |
26861841
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
竜 正大 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20549985)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 舌清掃 / 洗口剤 / 口腔保湿剤 / 口腔微生物 / 口腔ケア / 要介護高齢者 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、要介護高齢者の舌清掃における効果的な清掃器具、洗口剤および口腔保湿剤の組み合わせについて明らかにすることを目的とし、要介護高齢者として含嗽の不可能な入院患者を対象者として口腔清掃時に各種清掃器具、洗口剤および口腔保湿剤の組み合わせによる舌清掃を行い、清掃による舌表面微生物数の減少が最も多い組み合わせを検討することとした。 舌清掃器具は1-1)舌ブラシ、1-2)舌クリーナー、1-3)スポンジブラシの3群を、洗口剤は2-1)クロルヘキシジン配合洗口剤、2-2)セチルピリジニウム配合洗口剤、2-3)ベンゼトニウム配合洗口剤の3群を、さらに口腔保湿剤は3-1)ジェルタイプ、3-2)リキッドタイプの2群を設定した。これらの組み合わせによる群分けに従い、介助者が舌清掃を対象者の口腔清掃時に行ったうえで、舌清掃開始前と2週間実施後とにおける舌表面総菌数、舌表面カンジダ数、舌苔付着程度ならびに舌表面湿潤度の計測をそれぞれ行い、微生物の除去効果について最も効果的な組み合わせを探っていくこととした。 現在までに、研究協力施設における介助者への研究計画に基づいた清掃手技の習熟を終え、研究実施計画に則り10名について検討を行った。平成26年度には90名の被験者に対する検討を予定していたが、学命による長期海外出張のために中断期間が生じ、被験者の確保が遅れている。検討を行った10名については、いずれについても清掃開始前と比較して舌表面微生物数および舌苔付着程度の減少と舌表面湿潤度の増加が認められており、プロトコールおよび計測自体の妥当性を確認することができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
要介護高齢者の舌清掃における効果的な清掃器具、洗口剤および口腔保湿剤の組み合わせについて検討するという平成26年度の目的は、学命による長期海外出張のために長期間の中断期間が生じ、被験者の確保が遅れているために現状では十分な検討に必要なデータ数を集められていない。 出張終了後にすみやかに検討を再開していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の実験計画の中で残る80名の被験者の検討について、出張終了後すみやかに行っていくべく研究協力施設と具体的計画を相談しているところである。長期出張による研究の遅れのため、効率的に研究を進めていくために複数の研究協力施設において並行して検討を行い、被験者数の確保に努めていく方針である。 加えて本来平成27年度に行う予定であった、要介護者に対する効果的な舌の清掃時間および清掃回数の検討に関しても、並行して予備実験を行い26年度分の検討が終了次第すみやかに進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学命による長期海外出張のために長期間の中断期間が生じ、予定していた数の被験者の検討を行うことができなかった。そのため平成26年度に検討を行えなかった被験者分の介入や計測に必要な研究費を使用しておらず、次年度に使用する予定である。。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に行うことになった被験者に対する検討において介入や計測に必要な消耗品などを購入していくため、本来平成27年度に行う予定の効果的な舌の清掃時間および清掃回数の検討に必要な研究費とあわせて研究費を使用していく予定である。 また、被験者確保のためのパンフレットの作製や研究成果の発信のための学術大会における発表などを予定しており、必要な経費や旅費を計上する予定である。
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