研究課題/領域番号 |
26861844
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
三澤 麻衣子 日本大学, 歯学部, 助教 (80386127)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 要介護高齢者 / 口腔ケア / 業務量 |
研究実績の概要 |
平成26年度において、要介護高齢者にどの程度の口腔ケアを歯科医療職が行うことが適切であり、合わせて要介護高齢者のご家族がどの程度口腔ケアを行うことが適切であるかを検討するため、要介護高齢者に実際に行われている口腔ケアに関するデータと歯科専門職ではなくスタッフが行っている口腔ケアに関するデータを収集することとした。本学倫理委員会の審査を経て、社会福祉法人浴風会特別養護老人ホーム南陽園においてデータ収集を行った。収集するデータ項目は、性別、年齢、要介護度、認知症度、ADL、過去1年間の発熱回数および日数、日常の口腔ケア、介護職種の実施頻度、歯科専門職の介入頻度及び内容とし、利用者の237名のデータの収集を行った。 平成27年においては、社会福祉法人浴風会特別養護老人ホーム南陽園にて、平成26年度に調査を行った利用者の食事の形態に関するデータの収集を加えて行った。また、社会福祉法人浴風会特別養護老人ホーム南陽園で調査した同様の項目について社会福祉法人浴風会特別養護老人ホーム第2南陽園においてデータ収集を行うことができ、159名のデータ収集を完了した。 現在、データ量をさらに増やすため、社会福祉法人浴風会特別養護老人ホーム第3南陽園および、社会福祉法人伸こう会に協力のお願いに伺っており、調査を行う方向で調整している。 平成27年度までに得られたデータは、第74回日本公衆衛生学会総会にて「要介護高齢者への効率的な口腔ケアの提供について 第1報 口腔ケア提供状況」として発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までにあと3施設の特別養護老人ホームにてデータの収集を行いたいと考えていたが、特別養護老人ホームの監査が入る時期と重なったなどがあり、合計5施設を目標にしていたが、2施設のデータまでとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在データ収集の調整を行っている残りの3施設から、2種のデータの収集を行う予定である。一種は、要介護高齢者に実際に行われている口腔ケアに関するデータであり、もう一種は歯科専門職ではなくスタッフが行っている口腔ケアに関するデータである。収集するデータ項目は、性別、年齢、要介護度、認知症度、ADL、過去1年間の発熱回数および日数、日常の口腔ケア、介護職種の実施頻度、歯科専門職の介入頻度および内容であり、すでに収集しているデータとの整合性も考慮している。 今後各施設から35名、合計105名のデータ収集を目処とし、既収集のデータとの合計で約500名のデータにする予定である。 上記によって得られたデータは、すでに歯科専門職が介入している複数の特別養護老人ホームにおけるものであるため,各施設による歯科専門職による口腔ケアが行われている頻度の比較を行い,現実的に可能な歯科専門職の口腔ケアへの介入を考察し、高齢者への歯科専門職の介入の適正量を過去の文献等も用い明らかにしたい。 また併せて、地域での口腔ケアの事業展開等を調査するために地域包括支援センターおよび、訪問看護ステーションへのアンケート調査も行う予定である。この際に、前記施設の現場が求める歯科専門職の介入量についても検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
特別養護老人ホームでのデータ収集を、3施設で行う予定であったが、担当者について先方の法人での法人監査に加え、人事異動や組織変更があり、平成27年度中に終了することができなかった。そのため、データ収集に関わる費用が余剰となり、次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は最終年度であるため、データ収集のための交通費、施設協力者への謝金、OA消耗品の購入が必要となる。また、実際の地域での状況を検証するために地域包括支援センターおよび訪問看護ステーションへのアンケート調査を行う必要が生じてきており、その経費として、印刷費、郵送費、およびデータの整理に関して使用する予定である。さらに、今までの研究成果を公表するために、学会発表や論文の投稿を行う。そのための参加費と旅費、論文投稿に関して論文投稿費、英文校正費にも使用する予定である。
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