研究課題/領域番号 |
26861854
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
細名 水生 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (90454181)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 交代制勤務 / 電子メディア / 睡眠 / 疲労 |
研究実績の概要 |
本研究は不規則な生活リズムを強いられる交代制勤務に従事する看護師の睡眠と疲労状態に着目し、近年急激に普及し生活に不可欠となっている電子メディアが看護師の睡眠と疲労回復機能に与える影響を明らかにすることを目的としている。 前年度は交代制勤務に従事する看護師663名及び若年成人323名に対し、電子メディアの視聴状況の実態及び睡眠と疲労状況を自記式質問紙調査を実施した。 本年度は本調査結果を解析し、交代制勤務に従事する看護師の電子メディアの視聴状況及び睡眠と疲労状態との関連を、若年成人のデータを用いて比較検証した。その結果、看護師のうち92.7%は就寝前に電子メディアを視聴しており、若年成人(94.8%)と同様に就寝前の視聴による使用頻度は高いことがわかった。電子メディアの種類別では、携帯電話またはスマートフォンの普段1日の視聴時間は、交代制勤務に従事する看護師は1日平均142.9±102.1分しているのに対し、若年成人は216.8±155.5分で若年成人の視聴状況が有意に長かった。また、看護師では、就寝前に電子メディアの視聴時間が長いか短いかでは睡眠状況に違いはみられなかったが、普段1日での携帯電話あるいはスマートフォンの視聴時間(通話時間は除く)が長い者は、寝つくまでの時間が有意に長くみられていた。これらの結果から、交代制勤務に従事する看護師は1日の電子メディアの視聴状況は若年成人より短いものの、携帯電話やスマートフォンを視聴時間が長いと寝つくまでの時間が長くなる可能性が明らかになった。さらに、次年度の交代制勤務に従事する看護師を対象とした介入研究の調査に向けてモデリングをし準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に基づき交代制勤務に従事する看護師及び若年成人に実施した調査について解析して、電子メディアの視聴状況の実態及び睡眠と疲労状況との関連を明らかにできている。また、次年度の介入研究に向けた準備も進めることができていることから、研究は順調に進められていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、就寝前の電子メディアの視聴による睡眠及び疲労状況への影響を解明するために看護師を対象とした介入研究を実施し、電子メディアの視聴が交代制勤務に従事する看護師の睡眠や疲労状態への影響を生理学的、心理学的側面から検証する。
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