本研究は、うつむき姿勢の保持が心身へ及ぼす影響と姿勢保持に伴う苦痛への自動運動の効果を検討した。うつむき姿勢は、椅坐位に比べ、怒り-敵意、疲労の増大といった心理的負担と頸部、肩部の疼痛の増強が著しいことが示され、さらに肩部・腰部皮膚温の低下、肩部皮膚血流量の低下、肩部筋硬度の上昇に示される身体を自由に動かせないことでの身体への負担が示された。この心身の負担に対して、自動運動は、疼痛の緩和、自律神経活動に示される身体的な緊張および皮膚温の低下を緩和する効果が示された。したがって、硝子体手術後にうつむき姿勢保持を余儀なくされる患者に対するケアとして自動運動を促す必要性が示された。
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