本研究は、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故後に業務が多重した福島県内保健師の放射線に関する不安やそれに関連した住民対応への不安に焦点を絞り、その結果を基にした保健師教育支援を展開すること、また、その保健師教育支援を通して今後の保健師教育のあり方や住民対応のあり方を検討することを目的とし実施してきた。これまで、保健師自身の放射線に対する不安の変化や、放射線に関連した住民対応の不安とその要因、対象者のストレス処理能力や精神健康度等の現状を明らかにすることができた。 ・対象者の放射線に関する住民からの質問に対して不安を抱えている現状を定量的に測り、その要因を示した(口演発表;第5回日本放射線看護学会学術集会、論文発表;BMJOPEN 2016;6:e013564. doi:10.1136/bmjopen-2016-013564)。 ・対象者の、震災後に抱えているメンタルヘルスの現状、特にストレス処理能力を定量的に測り、その要因を示した(口演発表;日本看護研究学会第42回学術集会、論文発表;日本放射線看護学会誌VOL.5 NO.1 2017)。 ・対象者の抱える放射線に関する不安や放射線による影響の認識を定量的に測り、示した(示説発表;第20回日本集団災害医学総会・学術集会)。 ・対象者の希望する放射線教育に関する内容を、簡略に示した(示説発表;第6回日本放射線看護学会学術集会)。 以上の研究成果をもとに、対象保健師との保健師に対する放射線教育のあり方について協議を行い、研究報告書として対象者へ還元した。
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