本研究では、福島第一原子力発電所事故後の福島県内保健師の放射線に関連する住民対応への不安とその関連要因を明らかにすることを目的とした。保健師の269名(62.6%)は不安あり群に、161名(37.4%)は不安なし群に分類された。不安ありの関連要因として、事故時保健師以外の職種(主に学生)であった(OR:2.37、p = 0.007)、放射線に関する不安がある(OR:3.56、p <0.001)、(OR:2.11、p = 0.006)、チェルノブイリ事故後の小児甲状腺癌の増加に関する知識がない(OR:1.69、p = 0.035)ことが示唆された。保健師への放射線に関する知識の定着が求められる。
|