本研究の目的は、交代制勤務のある看護師として勤務する新卒看護師を対象に、起立性調節障害診断基準に準拠した質問紙調査と自律神経バランスの指標として起立負荷試験を行い、自律神経機能測定装置を用いて自律神経活動の動きを測定し、また質問紙調査によって、交代制勤務につく新卒看護師にどのような心身の変化があり、その変化はどのような事と関連しているのかを検討していくことである。 平成26年度より開始した調査によって得られたデータから、横断的な分析と縦断的な分析を行い、起立時の血圧変動、朝食摂取、外食頻度などに有意な差が見られた。また、血圧変動には、通勤時間や浴槽を使用した入浴習慣などの関連が考えられた。平成28年度までには、分析と検討を行った内容について、国内外での学会発表をかさねた。平成29年度は、論文投稿に向け、分析方法の変更などを行ってきたが、思うように進められない時期があった。現在、論文投稿準備を進めている状況である。 新卒看護師を対象とした研究においては、交代制勤務が導入される過程を心身の変化から捉えている調査は、いまだに少ないことより、アンケート調査で得られた内容の中より、自由記載も分析を行っていくことで、交代制勤務導入に関連している要因や影響を及ぼしていると考えられる内容の抽出を行い、まとめていく必要があると考えている。
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