本研究の目的は、看護行為における熟練した手の使い方を、手指・手掌の使っている部分と接触部位にかかる強さから可視化し、患者役の主観的評価と生理的評価で検証することである。 体位変換技術を受けた患者役の主観的・生理的評価から、熟練した手の使い方が成立している実施者と、成立していない実施者に分け、2群の手指・手掌の接触部位にかかる力の違いを明らかにした。 結果、頭部を持ち上げる行為や側臥位にする行為の左右第2.3指に有意な力の差が認められ、熟練した手の使い方が成立していない実施者の方が強かった。以上から、第2.3指に力が入らないように看護行為をすることが熟練した手の使い方の要素の一つであると示唆された。
|