研究課題/領域番号 |
26861873
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大西 麻未 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10451767)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 看護提供体制 / 看護提供システム |
研究実績の概要 |
平成26年度は、看護提供体制の変更とその評価、および看護提供体制の比較をテーマとした国内外の研究論文を収集して文献調査を実施した。文献調査の目的としては、①看護提供体制を構成する要素を抽出すること、②次年度の調査に向けて看護提供体制を評価するために有用なアウトカム指標を抽出すること、③看護提供体制の効果に影響を及ぼす背景要因について仮説を立てることを目的とした。看護提供体制を構成する要素としては、業務配分方法、看護ケアに対する責任の期間、看護ケアに対する責任の単位、看護ケア担当者の役割範囲、業務中の支援体制、看護展開に対する支援体制の6つの次元が導き出された。看護提供体制の評価指標としては、看護師のアウトカム指標として自律性、職務満足度、専門職意識など、患者アウトカム指標として医療事故の減少、ケアの継続性、直接ケア時間の増加等が抽出された。さらに、看護提供体制の効果に影響を及ぼす背景要因としては、看護提供体制およびその中での個人の役割に対する教育の有無、看護計画立案あるいはリーダー役割を担うための教育の有無、診療内容や在院日数、補助者の役割などの病棟の看護業務の構造が考えられた。さらに、患者満足度に対しては、看護提供体制や担当看護師の患者への周知、看護展開への患者の参画の程度なども影響を及ぼすことが示唆された。次年度以降、これらの結果に対して看護管理者の意見を得ながら質問紙の作成を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施計画を再検討し、看護提供体制の評価指標は質問紙によるツール作成ではなく、エキスパートパネルによる妥当性確認によって行う予定とし、平成26年度は文献調査の目的を拡大して成果指標や関連要因の検討を行うこととした。そのため、質問紙の作成にまで至らなかった点で、実施計画から見るとやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査の結果を、看護提供体制の分類のための項目、成果指標、関連要因の3つの観点から整理する。この結果に対し、特に看護提供体制の分類のための項目に重点を置いてその重要性、妥当性、調査可能性について意見を得て修正し、質問紙案を作成する。これと同時に調査参加施設を募り、調査については当初の計画通り実施する予定とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施計画を再検討し、今年度は文献調査の目的を拡大した。これに伴い、看護提供体制の評価指標は質問紙によるツール作成ではなく、エキスパートパネルによる妥当性確認によって行うこととしたため
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度請求分と合わせ、質問紙の印刷、調査旅費、協力者への謝金として使用する計画である。
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