本研究では創傷時の簡便な栄養状態の評価技術の確立を目的に、タンパク質栄養の悪化した全層欠損創モデルラットを用いて浸出液の成分変化を検討した。タンパク質摂取量の低下は、浸出液中のIGF-I、IGFBP-1及びFGF21がマーカーとなり、摂取するタンパク質の質の低下はIL-1β及びIL-10が診断マーカーとなる可能性が示唆された。本研究の結果より、これまで看護ケアでは単に廃棄されてきた浸出液を栄養状態の診断マーカーとして利用するという、全く新しい栄養状態の評価法の提案となり、患者にもたらす恩恵は極めて大きいといえる。
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