研究課題/領域番号 |
26861878
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
田丸 朋子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (00634940)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 腰部椎間板圧迫力 / TAMAツール / 上方移動 |
研究実績の概要 |
H30年8月9月に看護師8名を被験者として実験を行った。そのデータのうち、上方移動援助を1回の動作で完了できなかったもの(3名分)および、被験者の体重が大きく平均から外れた者(1名)のデータ以外のもの(4名分、全16データ)を今までのデータに加え、腰部椎間板圧迫力の平均値と最大値との相関を見た。その結果、腰部椎間板圧迫力の平均値ではr=-0.60、p<0.01、最大値ではr=-0.61、p<0.01となった。今回の実験データを足すことにより、以前の結果(腰部椎間板圧迫力平均値:r=-0.42、最大値:r=-0.52)よりも相関が強まった。しかし、依然として「中程度の相関」にとどまっている。そのため、H30年2月に、看護学生を対象とした実験を行った。そのテータを追加すると、腰部椎間板圧迫力の平均値ではr=-0.57、p<0.01、最大値ではr=-0.58、p<0.01であった。 看護師のデータの追加によって相関が強まったが、学生のデータを投入すると相関が弱まった。これは、データは増えているものの、TAMAツール得点と腰部椎間板圧迫力のバリエーションが平均値付近に固まってしまっているためであると考える。今後は、得点の高いケースや得点の低いケースの投入が必要である。現在、実験の模擬患者は「援助に協力できない患者」としているが、次回の実験(看護学生対象)では、「援助に協力できる患者」に設定を変更し、TAMAツール得点および腰部椎間板圧迫力の変化を見てみたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初考えていた、データを増やすことで相関を高めていく方針に則って実験をしているものの、一進一退の現状がある。そのため、分析を深めていくと共に、データ数の追加も平行して行っていく必要がある。しかし、被験者と患者役の両方を募集する必要があるという実験の性質上、1回の実験で測定できるデータ数および実験を行う頻度にも限界がある状況である。
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今後の研究の推進方策 |
H30年度は最終年度であるため、追加実験は8月までに1~2回行いたいと考えている。その結果を分析し、年度後半には成果発表を行いたいと思う。具体的には、論文を1~2本投稿(人間工学会、健康行動科学学会、等)、学会発表を3件程度(看護研究学会、看護科学学会、看護技術学会、等)を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金に関し、看護師の被験者の大半を本学に所属している看護師免許を有する者(教員)に依頼したため、謝金の支払いが不要となった(本学既定による)ためであるところが大きい。また、予定していた国際学会への出張がなくなった(不採択であった)ことも要因である。加えて、前年度からの繰越金の額も大きかったため。
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