StageⅠとして乳がんを持つ母親が病気に伴う情報を思春期女子に伝えることへの困難感と対処法および支援ニーズの明確化を図るため、初発乳がん患者11名に半構成的面接を行い、得られた逐語録をBerelsonの内容分析を参考に質的帰納的に分析した。困難感は、【母親のさまざまな迷いから子どもに伝えることを躊躇する】【子どもの病気に対する理解や反応に不安を抱く】などの4カテゴリが形成された。対処法は、【子どもに余計な心配をさせないための工夫をする】【子どもの特徴に合わせた伝え方の工夫をする】などの4カテゴリが形成された。困難感には、思春期の子どもとの関係性の難しさや遺伝性乳がんの心配により伝えることを躊躇することが含まれ、家族関係の把握や遺伝に関する情報提供が必要である。対処法には周囲に相談をするなどが含まれ、周囲からのサポート状況の把握や、本人及び子どもの性格の把握が必要であり、上手く対処できていない場合には、看護師が患者に合った対処法の提案と支援をすることが必要であることが示唆された。 続いて、StageⅡとして文献検討によるがん患者と子どものオープンなコミュニケーションに欠かせない要素の明確化、及びStageⅠで得られた結果を加え,支援モデルの原案を開発するため、Web版医学中央雑誌及びPub Medを使用し,“がん”“子ども”“親”をキーワードとして原著論文の検索を行った。得られた論文から,告知を受けたがん患者が病気に伴う情報を子どもに伝える現象や支援ニーズの構成要素を抽出し,必要な要素をStageⅠの結果に追加した。また,抽出された必要な要素をStageⅠの結果に追加した。
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