Ⅰ.乳がんを持つ母親が病気に伴う情報を思春期女子に伝えることへの困難感と対処法および支援ニーズの明確化を図るため、患者である母親への調査を行った.(1.用語の定義(1)思春期:対象者自身に養育されている中学1年生から高校3年生の子ども.(2)病気に伴う情報:病名使用の有無に関わらず病気,初期治療(手術・術前化学療法),乳がんの遺伝および治療に伴う生活の変化などを含む情報. 2.研究対象者:A病院で乳がんの初期治療を受け,初期治療開始時に思春期女子を養育していた者20名.3.データ収集方法(1)半構成的面接:回数は一人1~2回,時間は30分から1時間程度.診断を受けてから現在までの出来事や気持ちについて,半構成的面接を行う.面接内容は許可を得てICレコーダーに録音し,得られたデータから逐語録を作成する.(2)診療録調査方法:同意を得た患者の診療録から,患者の基本属性と疾患及び治療経過に関する情報を収集する.4.データ収集までの手続き:まず,研究実施場所の責任者に文書及び口頭で説明を行い協力を依頼する(病院倫理審査委員会承認済).患者の診療終了後,担当医師に研究者の紹介と研究の主旨を説明してもらい,同意が得られた患者に対し研究者が文書及び口頭にて研究目的・方法などの説明を行う.同意が得られたら同意書に署名を頂き,対象者と相談の上決定した日時に面接を実施する.6.分析方法:内容分析の手法を用い,質的帰納的に分析する.) Ⅱ.さらに詳細な支援ニーズの明確化のため、患者が養育する思春期女子への調査を行った. Ⅲ.文献検討によるがん患者と子どものオープンなコミュニケーションに欠かせない要素を明確化を目的に、検討を行った.
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