研究課題/領域番号 |
26861882
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大江 真琴 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60389939)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 糖尿病足潰瘍 / 治癒過程 / 評価スケール / 国際研究者交流 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は糖尿病足潰瘍の創部を評価するためのスケールを開発することである。本スケールの特徴は評点化することにより客観的に創部の状態の評価が可能なこと、申請者らが行ってきた日本の調査結果に加えてインドネシアでの調査結果を考慮することで、特に糖尿病患者数の増加が著しいアジア諸国で妥当性の高い点である。本スケールの開発によりアジア諸国で共通の創傷評価が可能となり、クラウドを用いたデータベースを構築し、新たなケアの開発と評価、さらにはアジア諸国に特化した糖尿用足潰瘍のマネジメントのガイドラインの作成が可能となる。 2014年8月にインドネシアのKitamura clinicを視察し、現地での糖尿病足潰瘍および診療の実態を把握した。その後、日本の創傷看護学研究者4名とインドネシアの創傷看護学研究者4名を対象にコンセンサスメソッドを用いて、スケールの項目を精選した。その結果、深さ、サイズ、炎症/感染、肉芽組織、壊死組織、浸軟、創縁のタイプ、トンネルが項目として抽出され、Assessment Scale for diabetic foot ulcers ver.1を作成した。その後、糖尿病足潰瘍を専門とする皮膚科医のスーパーバイズを受け、用語や評点を修正し、ver.2を完成させた。2015年3月より、インドネシアでの妥当性の評価を開始した。日本での妥当性の評価については日本創傷オストミー失禁管理学会の調査の一部として実施する予定であり、委員会の担当者と計画を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
糖尿病足潰瘍のスケールの作成は2015年度に行う予定であったが、すでにスケールの作成を終えて妥当性の検証を開始することができていることから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
インドネシアでの妥当性の検証を継続する。 日本での妥当性の検証について、5月に学会での説明会を開催する予定であり、その後、調査を開始する。 8月にインドネシアに行き、調査の途中経過の報告、調整事項の確認を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インドネシアのクリニックの視察にあたり、日本に留学中のインドネシア人の創傷看護学研究者2名に同行を依頼したため、当初の予定より旅費が多くなったが、その分、物品購入を控えて既存の物品を借用するなど工夫をし、結果として952円の残金がでた。
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次年度使用額の使用計画 |
インドネシアでのミーティングのための旅費および日本での妥当性検証のデータ分析などに使用する予定である。
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