研究課題
本研究の目的は糖尿病足潰瘍の創部を評価するためのスケールを開発することである。今回作成するスケールの特徴は、①評点化することにより客観的に創部の状態を評価することができる、②これまで申請者が行ってきた日本での調査結果に加え、インドネシアでの調査結果を考慮することで、特に、糖尿病患者数の増加が著しいアジア諸国で妥当性の高いスケールである、という2点である。本スケールの開発により、糖尿病足潰瘍のマネジメントに関するガイドラインの作成、日本の糖尿病足潰瘍に関するケアの輸出とさらなる発展が期待できる。インドネシアでの妥当性の検証結果については、昨年度、Wound Repair Regenに投稿し、今年度、掲載された。日本での妥当性の検証については、12月にデータ収集を終え、35部位の糖尿病足潰瘍を対象に併存妥当性、構成概念妥当性、および予測妥当性を検討した。併存妥当性および構成概念妥当性は示されたものの、4週間後の治癒をアウトカムとした予測妥当性はやや低かった。日本の糖尿病足潰瘍では外科的処置を行うことがあり、保存的な処置の場合と創傷治癒過程が異なることが影響している可能性がある。今後、サイズや壊死組織など似た概念が重複しているものについては精選し、より妥当性の高いスケールとする予定である。これらの取り組みを「グローバル化を目指した糖尿病足潰瘍評価スケールの開発」としてまとめ、BIO clinicaに投稿し、掲載された。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 謝辞記載あり 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)
BIO clinica.
巻: 31 ページ: 81-86
Wound Repair Regen
巻: 24 ページ: 876-884
10.1111/wrr.12464.