研究課題/領域番号 |
26861884
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
大日向 陽子 山梨大学, 総合研究部, 助教 (40570263)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患患者 / 健康状態 / 食事指導 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目標は,IBD患者の健康状態に適った食事指導書を作成し,看護師が指導書を活用後,患者と看護による評価を得て,IBD患者に向けた看護師の食事指導について示唆することである。本年度は,IBD患者33名(最終分析対象者22名)を対象に調査を実施した。CD・UCとも食事形態(調理方法)は同じような傾向であったが,CDは脂質を控えた食事,特にn-3PUFA摂取量が低く,血清Albが低く,血清CRPが高値であった。心理状態は先行研究とは異なり,両疾患とも良好な状態であった。CDを食事・栄養摂取方法別(経口単独・成分栄養剤併用)に大別し分析してみると,併用群の方が,摂取エネルギー,たんぱく質摂取量が多く栄養状態も良好であり,調理方法でも煮る・蒸す等食材を柔らかくし消化に良い形態で摂取している傾向があった。さらに,心理状態に関しては併用群の方が不安や焦りを感じていないなど心理状態が良好であった。 次年度は,特に食事摂取状況,心理状態を踏まえた食事指導の課題を抽出し,医師,管理栄養士の指導(助言)を受け食事指導書の内容の検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の対象人数には達していないのが課題ではあるが,研究計画通りにフィールド調査を実施できている。対象者のリクルートに関しては,調査期間(2か月),調査内容のメインとなる食事調査に抵抗を感じる患者も多く,調査協力の同意を得ることが困難なケース,長期間中に入院するケースも少なくなく,対象人数を減らすことの検討も必要だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の本研究分析対象者は22名であるが,データ分析を実施し,食事摂取状況を踏まえた食事指導について考察し,論文投稿,学会発表などを行う予定である。 さらに,食事指導の考察にて抽出された課題を中心に,医師,管理栄養士の指導(助言)を受け食事指導書の内容の検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
繰越金が生じた理由は以下の通りである。 血液生化学検査(全脂肪注脂肪酸分画)をSRL(株)に依頼するための予算を組んでいたが,調査対象予定人数に達していないことから請求金額に満たなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費使用計画は以下の通りである。 食事摂取実態調査結果より,食事指導書の内容を検討する予定であり,専門家(医師・管理栄養士)のスーパーバイズを受けるための旅費が発生すること,また,食事指導書の製本代なども経費として計上予定である。また,関連学会(日本臨床栄養学会,日本看護科学学会,静脈経腸栄養学会等)への投稿論文諸費用,発表旅費に充てる予定である。また,研究成果をまとめるための報告書作成費を必要経費と考えている。
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