クリティカルケアは、主に救命救急科や集中治療室といった場所で提供されており、主として患者を救うことを第一義としている。そのため、終末期ケアについてはあまり重要視されてこなかった。しかし、看護師が困難感を感じる要因として終末期ケアが挙げられており、新人看護師の離職の一因ともなっている。今回、看護師の中からクリティカルケア領域の新人看護師に焦点をあて、デス・エデュケーションの構築を目的として研究を行ってきた。その意義としては、新人看護師がより積極的に終末期ケアへの介入ができること、新人看護師のリアリティショックの軽減につなげ、離職を防ぐことがある。 その研究方法として、文献検討と看護師へのインタビューを計画した。文献検討では、国内外の文献から、クリティカル領域で今までに実施されてきた終末期ケアに関する医療全体への研究について分析し、その効果的な方法について明らかにした。その結果、教育方法としてシミュレーションが多く取り入れられていること、教育の評価方法として質的および量的な方法を組み合わせたものが多いこと、繰り返しの教育によってより身に付くといったことが明らかになった。この結果については、論文でまとめ、発表した。 また、現状及び現在必要とされている終末期ケアに関する教育を明らかにするために、クリティカルケア領域の新人看護師と熟練看護師、そして緩和ケア領域の熟練看護師にインタビューを実施している。現在の終末期ケアに関する教育の現状と課題を明らかにし、そこから必要とされている教育内容及びそれに合致する教育方法について検討し、教育プログラムにつなげていく。 実際に構築した後は、教育を実施し、どのような効果があったのかについて検証する予定である。
|