本研究の目的は、神経難病看護のコアとなる技術を明確にし、そのコア技術を基盤とした看護援助指針の開発と看護介入を行うことである。そして、神経難病をもつ患者の特徴に合わせた援助の提供を目指すことである。 研究者の先行研究、データの再分析、研究会議から、神経難病患者への看護全般の特徴ではなく、まずは、疾患ごとの特徴を明らかにする必要性が示唆された。疾患ごとの特徴が明らかになることで、より臨床現場で活用可能な看護援助指針となる。第一段階として、研究者がこれまで研究対象としてきたパーキンソン病患者を対象とし、研究を進めることとなった。 先行研究や研究者のこれまでの研究結果より、パーキンソン病患者の「身体性」に着目することで、パーキンソン病患者への看護が特徴づけられるのではないかという仮説が導き出された。そこで、既存の質的データを身体性の観点から、看護質的統合法(KJ法)を用いて再分析した。その結果、【身体性を刺激】など、特徴的な7つのシンボルマークが示され、パーキンソン病患者への身体性を意識した看護援助のあり様が明らかとなった。この結果は、これまで臨床の場で、何気なく実践されてきた看護への意味付けとなり、また同時に、パーキンソン病患者への看護の新たな示唆となるものであった。この結果は、TNMC&WANS International Nursing Research Conference 2017で発表し、研究結果及び身体性の観点に関して、国内外の研究者と意見交換をした。 上記研究結果をもとにし、実践適応性を考慮した看護援助指針を作成した。その結果、7つの視点とその方向性が明らかとなった。
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