研究課題
喉頭癌等の理由により喉頭全摘出術を行うことで、声帯を摘出してしまうために発声機能の喪失が、生活の質:Quality Of Life(QOL)低下に大きく影響を及ぼす。気管と食道間にボイスプロテーゼを挿入することで、発声が再び可能となる気管-食道シャント発声を行う方が増加している。本研究の目的は、ボイスプロテーゼを使用し気管-食道シャント発声を行っている方のQOLと食道内環境、音声機能の関連を明らかにし、QOL向上を目指すものである。初年度、気管-食道シャント発声を行っている方のQOLと発声機能の関連を明らかにするための調査を行った。その結果、健康関連QOLと声の強さの間に相関がみられ、今後の発声リハビリ等におけるQOL評価指標の一つとなり得ることが示唆された。初年度から最終年度にかけて、青年期女性におけるQOLの経年的変化と発声機能の特徴について調査した。仕事で声を活用してコミュニケーションをとるようになる等のライフスタイルの変化とともに、徐々に気管-食道発声を行うことへのボディーイメージ変化について受容していくことで健康関連QOLの向上がみられ、若年である青年期女性においても気管-食道発声は健康関連QOLの向上に有効であることが示唆された。最終年度、発声機能と食道内環境の関連を明らかにする調査を行った。その結果、食道内pHがボイスプロテーゼのカンジダ付着や発声機能に影響していることが示唆された。
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International Journal of Clinical Oncology
巻: 21 ページ: 402-408
10.1007/s10147-015-0886-4
Auris Nasus Larynx
巻: 未印刷 ページ: 未印刷
10.1016/j.anl.2016.02.009