研究課題/領域番号 |
26861891
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
黒田 裕美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (50512042)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | セルフケア / 慢性心不全 |
研究実績の概要 |
慢性心不全患者のセルフケア行動の獲得には心不全症状や徴候を認識、評価することが重要である。これまでの調査において、成人期にある慢性心不全患者は症状や徴候を認識していたが、セルフケア行動を取る必要があると評価することが困難であった。また、成人期にある慢性心不全患者は心疾患を持つ身体に対する価値が低下し、身体に対して無頓着な状態にあることがわかった。 そこで、本研究では成人期にある慢性心不全患者の身体の認識や評価、セルフケア行動の実態を調査する。方法は平成26~27年度に成人期にある慢性心不全患者を対象に、質問紙(ヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度など)及び身体のとらえ方やセルフケア行動に関するインタビューを行うこととした。 平成26年度はA病院循環器内科外来において予備調査を実施した。20~65歳の慢性心不全患者(NYHAⅠ~Ⅲ度)に対してセルフケア行動の実態を調査した。対象者19名、平均年齢55.8±9.2(39-65)歳であった。ヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度得点34.8±7.5(20-51)点、入院経験あり16名(84.2%)、仕事あり5名(26.3%)であった。対象者の心機能を示す検査値はNT-proBNP値838.1±799.2(137.4~2988.0)pg/ml、LVEF値56.4±17.9(24.0-79.0)%であった。30~40歳代と50~60歳代を比較して有意な差はなかった。このうち、30~40歳代は4名であり、ヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度得点27~38点であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は予備調査を実施したが、調査内容や方法の検討が必要であると考えられた。当初の計画では平成26~27年度に、成人期にある慢性心不全患者の身体の認識や評価、セルフケア行動の実態を調査する予定である。平成27年度に予備調査から得た内容を修正し、本調査を実施したいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究計画に沿って調査を実施する。セルフケア行動尺度を実施し、さらにその内容を探究するためインタビューを実施することで、量的・質的に分析したいと考える。調査にあたり大きな変更は無いが、研究協力者の協力を得て早期に実施したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査の遅れから資料の整理やデータ入力で使用する予定であった人件費を使用しなかったため、次年度の使用額に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の研究計画に沿って調査する。研究協力者を雇用し、調査を迅速に進めることにより資料の整理やデータ入力を進めていきたいと考える。平成26年度からの繰り越しは人件費として使用する予定である。
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