本研究では,2型糖尿病患者のセルフケア行動や心理的負担感に関連する要因の1つとして近年着目されている首尾一貫感に焦点をあて,看護師が2型糖尿病患者の首尾一貫感を改善することを目的とした,国内外で初となる,SOC集団教育プログラムを開発し,その効果を準無作為化比較試験により検証した。その結果,群間比較で介入群の首尾一貫感が有意に改善した。群内比較では,介入群内でのみ首尾一貫感とその下位概念の把握可能感と処理可能感,糖尿病による心理的負担感が改善した。SOC集団教育プログラムは,1回30分,計4回と先行研究に比して少ない介入回数と時間で首尾一貫感を改善する効果を示した。よって,SOC集団教育プログラムの有効性が確認できた。SOC集団教育プログラムは介入回数や時間からして,通常の教育入院プログラムや糖尿病外来での支援内容に組み入れやすい内容であると考えられ,今後汎用性を高めていく必要がある。なお,介入群の群内比較で有意味感の改善は見られなかった。今後は,治療への意欲を支える支援や生活改善への意味を見いだせるような支援をするなど有意味感を高める支援内容を強化することが課題である。以上を博士論文としてまとめた。
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