研究課題/領域番号 |
26861898
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
渡邉 千春 新潟県立看護大学, 看護学部, 助教 (50613428)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 終末期 / がん / 輸液療法 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、終末期がん患者の輸液療法に関する実態調査について2報の論文掲載を行うと共に、意思決定支援ガイド作成の骨子となる質的研究の研究計画書作成等の準備を進めてきた。実態調査では、輸液療法の実態や看護実践の状況において一般病棟に偏りがみられていることが明らかとなった。また、終末期がん患者の輸液療法に関して、緩和ケアチームの介入有が47.4%、栄養サポートチームの介入有が40.7%という状況であることから、一般病院の中でこのような事例に多く携わる看護師を対象とした研究を行うこととした。当初は、終末期がん患者・家族を対象とできないか模索していたが、倫理的配慮等の点から、意思決定支援の経験が深い看護師を対象とすることとした。現在テーマとしては、「終末期がん患者の輸液療法について代理意思決定を行う家族への支援プロセス(仮)」として、研究計画書の作成を行った。対象となる看護師については、研究協力者を介して、2県のがん診療連携拠点病院4施設のがん看護専門看護師、認定看護師、栄養サポートチームに所属する看護師等15名前後を予定している。倫理委員会の承認が得次第、実施に移れる状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来の予定であれば、平成27年度に「終末期がん患者の輸液療法について代理意思決定を行う家族への支援プロセス(仮)」を行い、その結果を基に、ワーキンググループとガイドの作成と評価を行う予定であった。だが、文献検索等を行ったところ、実態調査が必要であることがわかり、急遽追加して調査を行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
「終末期がん患者の輸液療法について代理意思決定を行う家族への支援プロセス(仮)」を5~6月ころに倫理委員会の承認を得た後、実施する予定である。データ収集、分析について、2県にまたがっての調査となるため、学会等や会議を有効活用し、研究協力者と綿密な連携を図っていく。また、データ分析についても修正版グラウンデッドセオリーを使用する予定であるため、研究者自身が勉強会に参加すると共に、専門家についても協力を得られる体制にある。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施予定であった質的研究について準備等に時間を要し、次年度行うこととなった。平成27年度には質的研究実施にあたっての物品費や会議等の打ち合わせの旅費を計上していたため、平成28年度に使用予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に行う質的研究については、2県にまたがった複数施設の調査となり、研究協力者との打ち合わせのための旅費が必要となる。また、データ収集にあたっては、検討中ではあるもののフォーカスグループインタビューを予定しており、ビデオカメラやレコーダー、研究参加者への謝礼が必要となる。また、分析については、修正版グラウンデッドセオリーに関する専門家の協力も必要であり、謝礼も必要となる。本研究については、日本がん看護学会または国際学会で発表予定であるので、旅費として使用する。
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