研究課題/領域番号 |
26861901
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
春名 寛香 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (80711134)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ICU / 高照度光療法 / Mテクニック / 睡眠 |
研究実績の概要 |
本研究は、ICU患者の睡眠障害に対し、高照度光療法とタッチの一種であるMテクニックのケアの組み合わせによる相乗効果を検証することを目的としている。 平成26年度は、研究対象者の選定基準、高照度光療法及びMテクニック各々の介入方法や睡眠の評価指標の決定を目指した。高照度光療法については、高照度光療法器の決定や高照度光療法実施施設において対象患者選定基準や使用方法、使用上の注意点などに関する情報収集を実施した。また、ICU施設へのフィールド調査を通して、ICU患者の年齢や病状、睡眠状況、睡眠に影響を与えると予測される種々の要因(治療や看護ケア内容及び頻度、環境など)の把握を行った。Mテクニックについては、Mテクニックセラピストによる研修計画を進めている。 また、睡眠の評価指標については、客観的指標として、終夜睡眠ポリグラフ(Polysomnography)と睡眠効率の一致率が高いとされていることや、研究対象者の負担を考慮し、活動量から睡眠を判断するアクティグラフ(Actigraph)を用いることを検討している。加えて、看護師による覚醒・睡眠判断(睡眠日誌)、主観的指標として、カロリンスカ眠気尺度(karolinska sleepiness scale:KSS)もしくは睡眠感に関するVASを用いることを検討している。なお、睡眠日誌においては評価指標としての精度をあげる為に、観察者の観察方法、睡眠・覚醒判断基準、記録の統一に向けて訓練が必要であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究対象となる患者の選定基準や、睡眠の評価方法、高照度光療法器使用方法(介入方法)の決定に関して時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
自施設の倫理審査委員会の承認を得た上で、研究協力候補施設の倫理委員会の承認を得る。研究協力者のICU看護師に対しMテクニックインストラクターによる研修を企画運営し、Mテクニック習得を目指す。研究対象となる患者の選定については、研究協力施設のICU管理者、主治医、ICU師長に相談の上決定していく。研究同意が得られた対象者を無作為に、①高照度光療法群②Mテクニック群③高照度光療法とMテクニック群の3群に割り当て各々の介入を実施する。介入中に対象者の状態が変化した場合は適宜医師の判断を確認し、介入を検討していく。決定した睡眠評価指標のデータを元に、3群間の効果の比較検討し検証を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究を実施するにあたり、高照度光療法器(ブライトライトME+Proの予定)、アクティグラフマイクロミニRC型は必須である。アクティグラフデーター解析は、専用の機器を用いて解析が必要であり専門家に依頼する予定としている。 また、研究協力者である看護師のMテクニック習得のための受講代も必要不可欠である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者である看護師に対して、Mテクニックインストラクターの協力を得て、Mテクニック習得のための研修を実施する。高照度光療法器、Mテクニックによる介入を実施し、アクティグラフを含む評価指標を用いてデータ分析をしていく。
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