本研究は、平成23年度~平成25年度科学研究費助成事業(若手研究B)「外来化学療法を継続する進行肺がん患者の希望を支える看護介入モデルの開発と評価」の継続研究として遂行した。当初は、作成した看護介入モデル(案)を臨床看護師に活用してもらい2施設で評価する予定であったが、近年の地域包括ケアシステムの構築および急性期病院の医療体制の変化に伴い、看護介入モデル(案)を適用するためにはその施設にあった内容での修正を行う必要性がみられた。また、近年、新薬の開発が進み、免疫チェックポイント阻害薬の臨床適応により、進行肺がん患者の抱える問題にも変化がみられてきているのを目の当たりにした。当初の計画では、作成した看護介入モデル(案)を適応する介入群と非介入群を設定し、看護介入モデル(案)の洗練を行うことが目的であった。しかし、この手法では、研究協力施設の背景や倫理的課題をクリアすることが難しいと判断した。そのため、進行肺がん患者の限りある人生をよりよく生きていただくための適切な研究手法を模索することに時間を費やした。結果、研究期間延長を申請し、最終年度であるが、看護実践研究という研究手法を用いることに結論づいた。この研究手法は、英国で医療全体の質改善に向けて体系的に取り組まれているWBL/WBR(Work-based learning/Work-based reserch)と同じ志向性をもつとされている。そのため、研究代表者が研究協力施設の看護職が協働して研究を行うことができる。 現在は、1つの研究協力施設の看護職と協働し、作成した看護介入モデル(案)を活用し、看護援助を展開し、その施設に適用できるよう洗練させている現状である。
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