本研究では皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCNとする)が、遠隔地から訪問看護師へ褥瘡ケアに関するコンサルテーションを提供する遠隔看護コンサルテーションを開発し、訪問看護ステーションをフィールドとした介入研究により、その有用性及び将来の実用可能性について検討した。これまでに、1) 遠隔看護コンサルテーションに使用するシステムとしてWOCNケアルームと患者宅をインターネットで接続し、ビデオ通話を用いて褥瘡ケアに関するコンサルテーションを提供する遠隔看護コンサルテーションシステムを構築した。構築したシステムは、実像と通信画像の一致性、システムの患者に対する安全性の2点から評価を行った。2) WOCNが遠隔看護コンサルテーションシステムを用いて、患者のフィジカルアセスメントを行い、患者・家族と訪問看護師に対して、褥瘡のケア方法の提案、指導を行う遠隔看護コンサルテーションプロトコルを作成した。 本年度は3) 平成27年度より実施しているシステムの有用性検証のための、在宅療養患者とそのケアを担当する訪問看護師を対象とした介入研究を継続し、主に、収集したデータの分析、まとめを行った。その結果、遠隔看護コンサルテーションの利用は患者の褥瘡ケアに対する満足度を高め、訪問看護師の新たな知識習得への意欲を向上させることがわかった。遠隔看護コンサルテーションは訪問看護師の褥瘡ケアの支援および知識獲得手段として有効であることが明らかとなった。
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