抗がん剤治療を受ける患者の家族らについては、抗がん剤曝露予防の十分な知見がない。家族らが、患者の排泄物に含まれる抗がん剤により、間接的曝露することは示されている。これを予防するには、患者と一定期間トイレの共用を避けることが効果的だが、往々にして難しい。本研究は、一般的なトイレ環境の拭き掃除により、排泄物と共に飛散した抗がん剤を除去できないか試験的に検討した。その結果、拭き取り操作により、飛散した抗がん剤を完全に除去はできないが、大幅に減少させることができた。よって、家庭におけるトイレ環境の拭き掃除により、物理的に抗がん剤の間接的曝露量の大幅な減少につながることが示唆された。
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