研究課題/領域番号 |
26861914
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
北村 有子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (10364035)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | がん看護学 / がん薬物療法 / 副作用症状 |
研究実績の概要 |
昨年度は、主に医療者の意見をもとに、患者用副作用評価基準を作成した。これをもとに各レジメンにあわせて副作用症状約10項目を選択し、患者用副作用記録用紙を作成した。 今年度は、患者評価を得るため、臨床研究を計画し、所属施設の倫理審査委員会の承認を受けて、実施した。これまでに作成した患者用副作用記録用紙のうち、3つのレジメンについて、合計40人の患者を対象に計画した。対象者には、毎日、患者用副作用記録用紙に記録するよう依頼し、3コース終了後、用紙を回収し、インタビューを実施することとした。 選択したレジメンの1つの実施件数が調査施設において減少したため、目標より少ない25人で終了した。4人が脱落(病態悪化1人、認知機能低下1人、治療中断・変更2人)、21人のうち、1人がインタビューのみ、1人が記録用紙回収のみであった。インタビュー分析対象20人の内訳は、男性15人、女性5人、年齢中央値65歳、肺がん13人、胃がん5人、大腸がん2人である。患者用副作用記録用紙について、85%の対象者が役に立つと回答した。具体的には「前回はどうだったか見直せ、次コースの副作用予測ができた」、「記録することで、症状を医師に相談するきっかけになった」、「疲労や便秘の説明にある“身の回り”という表現がわかりにくい」などが得られた。 今後、患者、医療者の意見を参考に、患者用副作用評価基準、患者用副作用記録用紙の修正を行う。 研究成果は、韓国で開催されたAONS 2015 CONFERENCE(The 2nd Asian Oncology Nursing Society Conference)においてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査の方法、対象に計画変更が生じ、目標症例数を満たさなかったが、患者評価・意見には収束がみられ、目的を満たしてほぼ計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
患者、医療者の意見をふまえ、患者用副作用評価基準を修正、項目追加し、第2版とする。患者用副作用記録用紙の様式を検討し、使用頻度の高いレジメン約50種を目標に作成する。 また、先行研究では、患者の主観的評価を要する副作用症状において、医療者は過少評価する傾向にあることが指摘されており、患者評価と医療者評価の違いや、患者評価データの活用について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度繰越額は2万円弱で、次年度にまとめるほうが有効活用できるため。
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次年度使用額の使用計画 |
患者用記録用紙の印刷費用にあてる。
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