研究課題/領域番号 |
26861915
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
仲井 あや 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30612197)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 早産児 / 発達支援 / Developmental Care / 新生児集中治療室 / 相互作用 / 家族支援 / Premature birth / Family Integrated Care |
研究実績の概要 |
1.データ分析と考察:修正後の研究計画に基づき第一段階の研究データを分析し、親子の相互作用過程が進展するプロセスと、子どもの行動に関する親の捉え方を明らかにした。早産児と親の相互作用の特徴を表す4つの主要なテーマが抽出され、相互作用過程の進展に伴い、子どもの状態の安定が図られるようになることが示された。結果に基づいて、早産児の修正33週から35週における発達支援枠組(「早産児の親と共に行う生後早期の発達支援モデル」に相当)を作成した。親子への早期介入は、早産児の覚醒が明瞭になる時期に焦点をあて親への教育的関わりを中心としたものが多く報告されてきたが、本研究では、親と共に行う発達支援の方法を導き出すために、覚醒レベルが低く、泣くことによって情動や意志を表出することが少ない時期に着目して支援枠組を作成し、看護援助の視点を示した。この点に意義と重要性があると考える。新生児・早産児行動評価法を用いた第二段階の研究は次年度以降の課題とした。 2.研究成果の発表:平成28年9月に米国の16th National Neonatal Nurses Conference、平成29年3月に文化看護学会第9回学術集会で、研究成果の一部を発表した。また、学位論文にまとめ、平成29年3月に千葉大学大学院看護学研究科に論文(論文博士)を提出した。 3.新生児・早産児行動評価法(Assessment of Term and Preterm Infant Behavior: APIB)の資格取得:平成28年7月に米国コロラド州より講師を招聘し、国内の研修施設における3日間の集中研修を行った。次年度8~9月に、最終試験の受験が許可された。 4.研究協力者および研究施設への成果還元:平成28年9月、上記3.APIBの研修内容について、研修施設での報告会を開催した。上記1.研究成果の報告は平成29年度に実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、研究計画を見直したことで、目的3)の発達支援モデルの考案まで到達し、交付申請書に記載した研究目的は概ね達成されたと言える。ただし、研究実施計画に含めていた新生児・早産児行動評価法(APIB)の資格認定には至っていない。次年度、APIBの評価資格認定を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究成果の発表と施設への成果還元:平成29年10月に埼玉で開催される第27回日本新生児看護学会学術集会において、研究成果の一部を発表する。平成29年度末までには本研究の成果について論文にまとめ、和文と英文で学術誌に投稿し、国内外に向けた報告を行う。また、別途報告書を作成し、当該年度中に研究協力施設および対象者への報告を行う。 2.新生児・早産児行動評価法(APIB)の資格認定:平成29年4月~9月の期間に自己トレーニングを継続し、平成29年8月~9月に、米国コロラド州において信頼性確認試験を受験し、資格認定を目指す。 3.早産児の親と共に行う生後早期の発達支援モデルの発展:APIBの資格認定後は、これを用いた第二段階の研究に着手し、今回作成した発達支援枠組の活用範囲を拡大して発展させる。具体的には、支援枠組を実践で活用し、子どもの発達支援への効果について、APIBを用いて評価することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は研究データの分析と論文作成を優先したため、新生児・早産児行動評価法(APIB)の自己トレーニングにおける研修日が限られた。このため、研修にかかる交通費は私費により支出した。
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次年度使用額の使用計画 |
1.新生児・早産児行動評価法(APIB)の研修を継続するための交通費として使用する。 2.研究成果発表のための交通費として使用する。平成29年10月、第27回日本新生児看護学会学術集会(埼玉)において発表予定。 3.研究協力者、研究協力施設に成果報告を行う際の報告書作成費および郵送費に使用する。
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