「母親役割」の概念分析および不育症治療を受ける妊婦の母親役割獲得過程を明らかにし、不育症治療を受ける妊婦の母親役割獲得を促進する看護介入プログラムの開発を目的とした。概念分析の結果、母親役割とは、「子どもとの相互作用を通して、自身の成長のために葛藤し、母親としてのアイデンティティを積み上げる」ことと定義づけられた。不育症妊婦の面接調査から、妊娠初期における経験の本質を明らかにした。不育症妊婦は児への愛着を持ちながらも、妊娠の喜びは抑制していた。流産経験が女性にとって抑圧されたものにならないような支援の重要性が示唆された。また次の妊娠に向けては、不育症女性の経験を踏まえた継続支援が必要である。
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