研究課題/領域番号 |
26861919
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高島 遊子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00616592)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小児がん / 退院支援 / 前向き子育てプログラム / 長期フォローアップ / 晩期合併症 / 心理社会的問題 / 移行期支援 / 育児支援 |
研究実績の概要 |
小児医療の進歩により小児がんの治癒率は7~8割まで向上し、患児や親の心理・社会的問題にも注目が集まるようになった。小児がんの過酷な治療体験は、患児だけでなく親の不安や抑うつ傾向も高めることが知られている。特に幼児期から学童期までに退院を迎えた場合は復園・復学、きょうだいへの対応など様々な課題があり、医療を離れて子どもを支える母親に対し、レジリエンス(立ち直り力)を高める心理サポートが重要である。前向き子育てプログラム(トリプルP)は親の不安や抑うつを軽減し問題解決力や自己効力感を高めることが確認されており、レジリエンス促進を図るために有用な介入であると考えられる。そこで本研究では、退院移行期の小児がん患児の親にトリプルPによる介入を行い、レジリエンスの促進を図ることを目的とした。 2014年度は、研究協力施設であるチャイルド・ケモ・ハウスと協同し、以下の内容を実施した。 ①対象者へのヒアリング チャイルド・ケモ・ハウスが実施する、退院後の小児がん患児の親の交流会に参加し、退院後の困難や育児支援のニーズについてヒアリングを行った。その結果、無事退院は迎えたものの、易感染性等の問題から復園・復学もままならず、地域からも孤立しがちになっている親子の現状や、育児支援へのニーズが明らかとなった。また、トリプルPの介入に向けてどのような工夫があれば参加しやすいか等の調整を行った。 ②トリプルP実施に向けた準備 研究協力者3名にグループトリプルPファシリテータ資格を取得してもらい、研究代表者は既取得のグループトリプルPに加え、介入レベルの異なるファシリテータ資格を取得した。これにより、様々な状況の対象者に柔軟に対応できる準備を整えた。また、所属機関の倫理委員会に申請を行い、承認を得た(承認番号323)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究遂行に向けて、実施体制や倫理申請等の準備状況がおおむね整っているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、対象者の具体的なリクルートを行いトリプルPを実施していく。その際、対象者がトリプルPのホームワーク等によって負担や困難を感じないよう、達成に向けての援助を十分に行う。また、前後で実施する質問紙を分析し、学会成果に向けての準備を行っていく。
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