研究課題/領域番号 |
26861920
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木内 佳織 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70467504)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 尿失禁 / 骨盤底筋 / 患者コンプライアンス / 産褥 / 女性 / モバイルアプリケーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年急速に使用が拡大しているスマートフォンを利用し、尿失禁の改善や予防のための骨盤底筋訓練を支援するアプリケーションを開発することである。また、このアプリケーションを使用し、産後女性の骨盤底筋訓練のコンプライアンスを向上させ、産後の尿失禁の有病率を低下させることである。
本年度は、一般女性に配信されている骨盤底筋訓練のアプリケーションソフトウェアについての調査をおこなった。アプリケーションソフトウェアのダウンロードストアであるGoogle Playで検索し、調査対象に選定した11種類の内容や構成の質を明らかにした。また、前年度に決定していたアプリケーションソフトウェアに搭載する機能と比較検討した。その結果はICM(国際学会)、日本助産学会で発表した。アプリケーションソフトウェアの作成を依頼する業者が決定し、内容や構成の打合せを重ねている。
一般的におこなわれている産前産後の骨盤底筋訓練の指導は、口頭やパンフレットを用いた簡単な指導のみであり、アドヒアランスが低い。しかし、スマートフォン用アプリケーションソフトウェアを用いて骨盤底筋訓練の実施を支援すれば、育児に多くの時間を費やしている産後女性でも訓練の継続が簡単に出来る。また、スマートフォン用アプリケーションソフトウェアは骨盤底筋訓練だけではなく、コンプライアンスの維持が困難であった他の保健指導にも応用可能であると考えられ、医療現場での利用が期待される。スマートフォンのような身近なツールの利用は、定型的な保健指導を劇的に変化させることができる可能性を秘めている。使用者にとってスマートフォンは、いつでも携帯しており、身近な通信機器である。わざわざ他のツールを使用する手間を省略することができるものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プリケーションソフトウェアの開発を依頼する企業が決定し、現在、作成の初段階であり、アプリケーションソフトウェアで使用する画像やアイコンなどのデザインや搭載する機能の打合せをおこなっている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の当初の3カ月でアプリケーションソフトを完成させ、健康な一般女性を対象にpilot workを実施する予定である。その後、アプリケーションソフトウェアに改良を加え、産後女性を対象とした臨床試験をおこない、有効性を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アプリケーションソフトウェアを(株)NOIESに依頼して開発をする予定であったが、双方向通信システムの提供を終了したため、他の企業を探さなければならなくなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
アプリケーションソフトウェアの開発を依頼する企業が決定し、残額を開発費用として消費する予定である。現在、作成の初段階であり、アプリケーションソフトウェアで使用する画像やアイコンなどのデザインや搭載する機能の打合せをおこなっている。
|