研究課題/領域番号 |
26861923
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
西村 直子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30548714)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 軟骨無形成症 / 小児 / セルフマネジメント / 自己効力感 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,軟骨無形成症を持つ患児の実際の行動とその背景にある思い,保護者の関わりを明らかにし,日常生活行動が自立し始める学童期の患児とその保護者に対して,どのような情報提供や療養指導が,児(者)が生涯を通し,日常生活において,身体的,心理社会的に自立し,重篤な合併症を予防するための適切な行動をとるために効果的な支援となるのかを検討することである.平成26年度の研究は,児から「疾患や健康管理の知識・技術」「自ら実施している生活・健康管理上の行動に関すること」「生活上の困難やその思い」等について,母親から「児の健康管理についての知識」「知識のリソース」「健康管理の実際」「健康管理について児への教育内容・方法」について質的データを得て,軟骨無形成症を持つ児とその保護者の体験から伺える生活状況を検討することであった.質的データの分析において,2組の親子から得た質的データの分析と先行研究を再検討した結果,成人した軟骨無形成症の当事者から,現在に至るまでの生活状況についての質的データを得る必要性があると判断し,研究計画の再検討を行い,研究施設の倫理審査を終え,現在,データ収集を実施している.現段階の面接調査から,保護者が意識して介入している日常生活の注意点,それに対する児の認識や実際の行動について,同時期に児とその保護者両者から聞き取りを行うことで,それぞれの認識のズレや共通点についてデータを得ることができていると考えられ,引き続きデータ収集を行っていくことで,自立を促進するセルフマネジメントの日常的な実践へのアプローチの検討へとつながると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質的データの収集,分析について遅れている.すでに得られた質的データの分析と先行研究を再検討した結果,成人した軟骨無形成症の当事者から,現在に至るまでの生活状況についての質的データを得る必要性があると判断し, 研究計画の再検討,修正を行ったためである.
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今後の研究の推進方策 |
現在,再検討した研究計画の研究施設での倫理審査を終え,データ収集を実施している.成人した軟骨無形成症の当事者の,現在に至るまでの生活状況についてのプロセスを検討し,当該疾患を持つ児(者)が生涯を通し,日常生活において,身体的,心理社会的に自立し,重篤な合併症を予防するための適切な行動をとるために効果的な情報提供や療養指導の内容とその適切な時期に関する示唆を得ていく.データ収集,分析について,研究協力者である,小児科医,小児を専門とする看護師と連携をとり,速やかに行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに得られた質的データの分析と先行研究を再検討した結果,当初予定していた軟骨無形成症を持つ児とその保護者への調査に加え,当該疾患を持つ成人した当事者から,現在に至るまでの生活状況についての質的データを得る必要性があると判断し,研究計画の再検討を行った関係で,26年度に予定していた面談調査の内容の再検討が必要となり,調査協力者への面談調査を27年度に移動したため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き研究計画にそって,調査協力者より質的データの収集を行う.収集した質的データについて,文献的な検討を行い,研究協力者と意見交換を行うことで研究を円滑に進行する.
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