研究課題/領域番号 |
26861923
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
西村 直子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30548714)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 軟骨無形成症 / 小児 / セルフマネジメント / 自己効力感 |
研究実績の概要 |
軟骨無形成症者が生涯自立した生活を送れる支援への示唆を得るために必要な早期介入を明確にすることを目的としている。学齢期の軟骨無形成症を持つ子どもとその保護者7組、成人した軟骨無形成症を持つ当事者11名より聞き取りを実施した。社会環境の違いを考慮し、青年当事者の青年期、壮年期で分けて分析を実施している。青年期当事者5名(男性2名、女性3名、20代 2名、30代 3名)の聞き取り内容を分析した。診断名は軟骨無形成症5名、偽性軟骨無形成症1名であった。1名が脊柱管狭窄症の手術を受けており、現在整形など受診継続しているものが3名、ほか2名は医療機関を受診していなかった。3名は過去に成長ホルモン療法を受けており、3名が骨延長術を受けていた。学校で何らかの改修を行ったもの3名、障がい者手帳を保持しているもの4名であった。2名は移動に何らかの補助具(車椅子など)を使用していた。 「人との違いを早くから認識する」もの、「全く意識しなかった」ものがいた。人との違いへの認識が、「学校の選択(普通学級、養護学校)」や「骨延長術の選択」のきっかけになっていた。「体育の授業を免除してもらう」場合もあれば、「できないことは無く、どの項目も他の子よりできていた」ものもいた。「人に頼まず自分でやりたい」という思いと「助けてもらわないとできないことがある」はざまで「助けを得ることについて自分なりの対処法」をみつけていた。学校生活で「人から見られること」や「小さいと言われる」ことに対して、親や教師などがサポートを得られるように周囲に働きかけていた。病気であることに「意味」を見出していた。 同じ疾患でも身体活動において、個別性が大きいことが明確となり、自立支援には個々人に合わせ、心理社会的なサポートもふまえて実施する重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文化に時間を要している。教育へのエフォートの増加から、研究への時間配分が減少しているため
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今後の研究の推進方策 |
学齢期の軟骨無形成症を持つ子どもとその保護者からの聞き取り内容を分析し、得られた示唆について、15th world congress of the world assosciation for Infant Mental Healthにて発表予定である。 また、成人した軟骨無形成症を持つ青年からの聞き取り内容を分析し、得られた示唆についても、学会で発表予定であり、専門領域の研究者と意見交換を行い、研究結果の社会への還元について深める予定である。調査協力者、関連医療機関、学校看護関係者と連携をとり、軟骨無形成症を持つ患児(者)の社会生活のサポートについて具体化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
聞き取り予定であった、軟骨無形成症を持つ学齢期の子どもとその保護者の希望により、聞き取りが次年度となったため
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次年度使用額の使用計画 |
聞き取り日程を再度調整し、調査協力者の希望にそって実施する予定である。
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