本研究では、NICUに入院した子どもをもつ母親の身体的・心理的特徴を踏まえた、次子妊娠に関する看護支援を開発し、評価することを目的とした。看護支援を開発するために、NICUに入院した子どもをもつ母親を対象に、次子妊娠の意思決定の過程に関する体験をインタビューで調査した。また、総合周産期医療センターに勤務する医療者や小児の診療所の医師、訪問看護師を対象に次子妊娠支援に関する現状調査を質問紙にて行った。調査結果をふまえて、本研究では、NICUに入院した子どもを持つ母親の次子妊娠に関する意思決定の準備性を高めることに焦点をあてた看護支援を開発した。また、看護支援を行うために、冊子を作製した。 看護支援の評価は、NICUを有する3つの施設で、子どもがNICUに入院した母親を対象に産褥3~5日目に実施した。本研究で開発した看護支援を用いて家族計画支援を行う群と、従来施設で実施されていた家族計画支援を行う群に分けた。支援の実施前に質問紙調査を実施し、1ヶ月健診時に質問紙調査およびインタビュー調査を実施した。 NICUに入院した子どもを持つ母親は、産褥1ヶ月時点において、先行研究と同様に次子妊娠に関する気がかりをもっていた。本研究で開発した看護支援を受けた群は従来の群と比較して、次子妊娠の決定の段階、医学的情報を入手することや、情報を活用した意思決定することにおいて、得点が上昇する傾向がみられた。 本研究で開発した看護支援を行うことで、母親が次子妊娠について考え始めた際に出てきた気がかりを解決するために必要な情報を入手し、活用していく力が高まる可能性が示唆された。今後の課題として、対象者数を増やすこと支援を行う時期について検討することがあげられる。
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