研究課題/領域番号 |
26861927
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40586484)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 幼児 / 尺度開発 / 採血 / 予防接種 / 達成感 |
研究実績の概要 |
2014年度はタイトルにある「前向きな行動」という概念についての検討を行った。その結果、「前向きな」行動は「達成感」を得たときに観察できる行動であることから「達成感」という概念に着目して尺度を開発することが確定された。また、どういう場面を想定した尺度を開発するのかという点から「診療・処置・検査」としていたところを「穿刺を伴う処置・検査」と限定した。その上で、開発する尺度は日本人を対象としたいので穿刺を伴う処置・検査時の幼児の「達成感」が記述されている和文献を選定し、概念分析を行った結果、次のようなことが明らかとなった。 1.穿刺を伴う処置・検査時の幼児の「達成感」の先行要件:【負荷のあるイベントへの曝露】されることとなった幼児が【負荷のあるイベントに向けた準備】を周りの大人と行うことで、【負荷のあるイベントに対する幼児の認識】が変化する。一方、周りの大人は幼児に【大人による場の設定】【大人の幼児への関わり方】【大人間の情報共有】を行う。そして、【負荷のあるイベント中の幼児の行動】をとり、【負荷のあるイベントの遂行】を行うことで【イベントを通した大人からの評価】が得られる。この過程を通じてイベントが終了すると達成感が得られる。 2.穿刺を伴う処置・検査時の幼児の「達成感」の属性:達成感は具体的に【安堵】【うれしい思い】【成就した感覚】【やり抜いて得た満ち足りた思い】などから構成されていた。 3.穿刺を伴う処置・検査時の幼児の「達成感」の帰結:幼児が「達成感」を得るとその後【主体性の強化】【社会性の向上】【精神状態の安定】【成果の継続・向上】などに帰結する。ゆえに幼児にとって「達成感」を得ることは幼児の成長・発達に寄与するということが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
着目したい概念の焦点化にあたり、どの概念がよりその幼児にとっての成長・発達に寄与しうるのか、前向きな行動を反映するのかということを検討することに時間がかかった。しかし、遅れてでも概念の検討を行うことは重要と考え、時間をかけ検討を行った結果、やや遅れているという現状である。
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今後の研究の推進方策 |
早急に所属施設の倫理審査を受けて、データ収集を開始したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画の進捗が遅れ、当初計画していた物品を購入するにいたらなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
支出が必要となった段階で、適宜計画していた物品等を購入する。
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