本研究の目的は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が全国平均の2倍以上と高値である北海道において、乳幼児を育てる養育者と医療・福祉従事者の双方に対し、SIDSに関する知識を普及させることにより、SIDSによる死亡の抑制を図ることである。2018度は、養育者及び医療・福祉従事者向けに広く知識普及キャンペーンを行うとともに、SIDSに関する知識の実態調査を行う計画であった。 知識普及キャンペーンについては、昨年度に引き続き北海道内で人口が最多である札幌市内において、町内会や商店街のイベント等、子育て世代が多く集まる場において開催した。また本年度は、人口26万人を有する中核市である函館市においても、子育て世代の多く集まる商業施設において知識普及キャンペーンのイベントを実施した。これらのキャンペーンにおいては、SIDSの予防知識について記載したチラシや団扇を配付したほか、本研究代表者による市民向けミニレクチャー、アンケート調査を実施した。 養育者に対する乳幼児突然死症候群に関する知識の実態調査については、当初計画では医療機関における生後1か月健診での調査を予定していたが、より多くの対象者に効率よく調査を実施するため、市区町村の保健センターや町内会、商店街等での調査に変更した。その変更に時間を要したため、研究期間の延長が必要となった。 その他、SIDS家族の会のビフレンダー及び医学アドバイザーとの情報交換、人口動態調査等の統計の確認を行い、SIDSに関する動向の把握に努めた。 本研究の調査結果については現在分析中であり、その結果を本研究の成果として2019年度以降に公表予定である。
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