研究課題/領域番号 |
26861929
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
坂本 希世 宮城大学, 看護学部, 助教 (70723980)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 若年出産 / 母親役割獲得過程 / 育児支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、10代で出産する女性が産後一年間の育児を通じて母になるプロセスと、育児中に抱える困難および彼女たちが有する強みを、質的・記述的に明らかにすることである。本研究を通じて、10代で出産した女性たちの現状とニーズに即した、より良い支援方法を考察することを目指している。 平成28年度は、前年度に引き続き研究参加者7名へのインタビュー調査を行った。本研究は、妊娠期から産後1年にかけて継続して複数回のインタビューを行う縦断的調査であるため、1人あたり2~3回のインタビューを数カ月ごとに実施した。インタビューデータより逐語録を作成し、語られた内容の類似性・相違性に着目しながら、今年度は主に研究参加者の妊娠期における経験を分析した。分析の結果、10代で妊娠した女性は、どのような母親になりたいのかについて妊娠期より思案すると同時に、就職や進学も視野に入れ、新たなアイデンティティを形成しようとしていることが明らかとなった。そのため、彼女らの支援に際しては、母親として自律しようとする姿勢を尊重しながら、アイデンティティ形成に向けて関わることの必要性が示唆された。得られた知見は、The 20th EAFONSにおいて“New identity formation in women who give birth in their teens”として発表を行った。なお、研究参加者の分娩期や産褥早期、産後の育児における経験については分析を進めている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究参加者へのインタビュー調査はおおむねスケジュール通り進行しているが、分析作業に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、研究参加者へ1~3回ずつインタビュー調査を実施する。また、これまで得られたインタビューデータの分析作業を継続し、10代で妊娠・出産する女性たちへのより良い支援について考察を深め、学会発表に向けた準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、インタビュー調査にかかる費用(旅費・謝礼・通信費)と、関連学会の参加費や旅費として主に使用させていただいた。また、次年度も継続して実施するインタビュー調査および分析作業にかかる費用として、一部は繰り越しをさせていただいた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、インタビュー調査や分析作業にかかる費用として使用させていただき、引き続き有効に活用させていただく予定である。
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